応用物理学研究室
谷口 和成(物理学・教授)
自己紹介・メッセージ
「どうして空は青いの?」といった素朴な疑問から「自然災害はどのように生じるのか」といった社会の重大な課題まで、身のまわりには様々な不思議や解決すべき課題であふれています。
物理学は、自然における物質や事象を対象として、実験・観察した事実にもとづき、それらを支配する普遍的な法則や原理を探究する学問分野です。そこで、はじめに述べたような日常の不思議(問題)に気づき,主体的に課題や仮説を設定し,実験や観察を通してその解明/解決を目指すだけでなく、他者と協働して解き明かす面白さを児童・生徒に伝えることができる人材の育成および教育現場の支援を行っています。具体的には、認知科学、教育心理学などの教育理論を基盤として、欧米の科学教育カリキュラムや教材を参照しつつ、現職の理科の先生と連携して実践的に研究を進めています。
現在の研究テーマ
1.理科教育における自己調整学習方略の獲得を支援する教育的介入の検討
理科の学習において、学びのプロセスを自らコントロールする力を育む研究です。学習を始める前に見通しを立て(予見)、自分の理解状況を確認しながら自分に合った方法で進め(遂行)、最後に自分の学びを客観的にふり返る(省察)といったサイクルを児童・生徒が自分自身で回せるような、教師の支援や授業の仕組みを検討しています。生徒が自らの学びの主役となり、納得のいく理解へとたどり着ける教育のあり方を検討しています。
2.理科の見方・考え方を働かせ科学的思考力を育む理科授業・探究活動
理科の学習において、「現象をどのような視点で捉え、どのように探究するか」という「理科の見方・考え方」を働かせ、根拠を持って論理的に考える「科学的思考力」を育む研究です。実験・観察や探究活動を通じ、児童・生徒自らが問いを見つけ解決していく授業作りや教師の支援および評価の方法を検討しています。
3.プラズマ種子相互作用による種子の発芽促進に関する基礎研究
昔から「雷が多い年は豊作になる」と言われるように、自然界のプラズマ現象である雷が落ちた土地では、植物の成長が活性化されることが知られています。そこで,プラズマを人工的に生成し,その際に生じる「活性種(反応性の高い分子や原子)」が、種子の発芽や成長をどう促すのかを解明する基礎研究を行っています。どのような活性種が、種子の表面や内部の生理状態にどう働きかけるのかを分析し解明することで、厳しい環境下での発芽率向上や生産性の安定化につながり、地球規模の食料問題や環境課題の解決に貢献できる可能性を秘めています。
研究業績
※著書・論文や学会発表の一覧については、京都教育大学の研究者総覧をご覧ください。
主な担当授業
【学 部】
物理学、物理学基礎実験、物理学I、物理教育実験、教職実践演習、中等理科教育III(分担)、ほか
【大学院】
理科教育実践演習ー科学教育ー、教科内容教材論ー物理ー、教科内容構成論ー理科ー、授業デザインとICT活用C、ほか
※シラバスは、京都教育大学のシラバス検索ページから検索可能です。
卒業論文・修了論文などの指導について
- ・「授業中に、いつも寝て(or私語orよそ見)ばかりで、なかなか授業に参加してくれない。どうして?」
・「アクティブ・ラーニング型の授業をしたいのに、自分の意見を言ってくれないので、話し合い活動ができない。どうしたらいいの?」
・「こんなに丁寧に説明しているのに、教材もいろいろ工夫したし、子ども達も楽しく活動しているのに、どうして理解が進まないのだろう?」
これらの言葉は、先生を目指している学生だけでなく、教育現場の先生からも、しばしば聞かれる悩みで、なかなかに難しい課題です。
当研究室では、これらの課題に対して、理論(認知科学・教育心理学・動機づけ理論、等)に基づき、実態調査を行い、教材や授業、評価法を検討、開発して、アクティブ・ラーニング型の授業実践を通した解決を目指しています。
研究室の基本方針は、「高いやる気と教育現場にとって意義があるテーマであれば、どんな分野でもどんな校種(幼稚園、小学校から高校、特別支援学校)でも、チャレンジ(研究)できる」です。
これまでに、物理分野だけでなく、化学分野(小・中・高)、生物分野(小・中)、算数・数学分野(小・中)、複合分野(エネルギー教育、災害時教育、知的財産教育、等)および特別支援学校で、さまざまなテーマの卒業研究や修了研究を行っています。
【卒業研究】
最近5年間のおもなテーマ
- 自律的な動機づけを促す教員の支援行動
- 学習方略の獲得を支援する教師の発話の検討
- 小学校段階におけるプログラミング的思考を涵養する授業の検討
- 幼少接続のための磁石を用いた遊びの開発
- 波の位相概念の理解を促す授業の開発
- 理科と体育を結ぶ教科横断型授業の開発
- 特別支援学校・学級における理科教育~知的障害児への理科の指導法の検討~
【修了論文】
最近5年間のおもなテーマ
- 高校物理における自己調整学習を促す宿題の検討
- p-prims理論を用いた概念理解を支援する教育的介入の検討-質量概念の形成を目指して-
- 物理概念の形成における学習者の学習方略および学習観の影響
- 生徒の認知発達を意識した理科の見方・考え方の活用を促す授業の実践的検討
- 認知促進の理念に基づくユニバーサルデザインの視点からの中学理科授業の開発
- 中学校理科における学習方略の獲得と活用を促す支援の検討
- 協働学習における学びの調整段階と物理概念理解の関係
連絡先
〒612-8522 京都市伏見区深草藤森町1番地
京都教育大学 教育学部 理学科 応用物理学研究室
お問い合わせ先:guchi at kyokyo-u.ac.jp
研究室ホームページ:(工事中)